こんにちは!愛玩動物看護師長の稲葉です。
先月、ロイヤルカナン主催”高齢猫に寄り添う獣医療”というセミナーに参加するため
博多へ行ってきました!

実は、室内で暮らす猫ちゃんが増えたことで、寿命もぐんと延びてきているんです。
猫の11歳は人間でいうと60歳くらい、15歳で76歳くらいだと言われています。
セミナーでは、そんなシニア猫ちゃんたちがもっともっと快適に過ごせるように、という
テーマで色々なお話を聞くことができました!

シニア猫ちゃんのサイン、見逃してない?
猫は、体調が悪くても我慢してしまうことが多い動物です。
そのため、気づかないうちに病気が進行している、なんてことも少なくありません。
セミナーでは、シニア猫ちゃんによく見られる変化について、改めて学ぶことができました。
- 食べる量が減った、食の好みが変わった
- 水を飲む量が増えた
- 寝ている時間が増えた、あまり遊ばなくなった
- トイレの失敗が増えた
- 毛づくろいをしなくなり、毛並みが悪くなった
- 高いところに登らなくなった
- 声の大きさが変わった
- 元気で食欲もあって水もよく飲む、けど痩せている
こんな変化が見られたら、もしかしたら体のどこかに不調があるサインかもしれません。
「歳だから仕方ないのかな?」と思わずに、ぜひ動物病院で相談してみてくださいね。
猫ちゃん達と一緒に過ごす時間が楽しく快適になると嬉しいです。

もっとできる!シニア猫ちゃんのケア
セミナーで特に印象的だったのは、WHO(世界保健機関)が「老化は病気」と定義した事について。
正確には、WHO(世界保健機関)が国際疾病分類に「老化に伴う機能低下」というコードを設けることを検討しましたが、最終的には「老化」そのものを病気として定義することは見送られた、
という経緯があります。しかし、この議論自体が大きな意味を持っているそうです。
これまで「自然な現象」として受け入れられてきた老化を、「治療や予防の対象」として捉え直す
という新しい考え方が広まっているのです。
人でも同じ年齢で健康で若々しい人もいれば、私みたいに足腰痛くて疲れやすい人もいますね。。
今回のセミナーの内容も、まさにこの考え方と共通しています。
シニア猫ちゃんの「歳だから仕方ない」と見過ごされがちな変化を、病気のサインとしてとらえ、
適切なケアをしていくことが猫ちゃんの生活の質(QOL)を高めることにつながります。
シニア期になると、腎臓や関節など、体のさまざまな機能が衰え始めます。
例えば関節に限定して言えば、12歳以上の猫ちゃんの90%が変形性関節症を患っているとのこと。

快適な睡眠環境を整えてあげたり、滑りにくい床材にしてあげたり、低い場所にも休憩スペースを作ってあげたり、トイレの段差をなくしたり、少しの工夫で、猫ちゃんの暮らしはグッと快適になります。
度々写真に出てるうちのおじい猫はもう13歳ですが、トイレの失敗が増えてきていました。
高齢だからな…と思っていましたが、トイレを段差のない物に変えると失敗がなくなったんです!
これも関節が痛くて段差が億劫になっていたのかもしれません。
小さな変化だと思っているのは人間だけで、猫にとっては大きな変化ですよね。
もっと早く気付けば良かったと思っています。

↑なんか葉っぱで遊んでるうちのおじい(むぎ)
今回のセミナーを通して、改めて猫ちゃん達のために私達飼主が出来る事はたくさんあると感じました。
「もう歳だから…」と見過ごさず日々の変化に気づいてあげる事、その子に合ったケアをしてあげる事が猫ちゃんの長寿と健康につながります。
もし、猫ちゃんのことで「これってどうなのかな?」と気になることがあれば、
こんな事で相談して良いのかな?と思わずお気軽にご相談ください。一緒に考えていきましょう!
大切な家族である猫ちゃんとの毎日をサポートしていけたら嬉しいです!

↑最後に、当院を担当して下さってる笑顔の素敵な森さん✨一緒に写真撮ったら良かったと後悔した…!この度は大変お世話になりました。ありがとうございました😊