「口にできものがある」という主訴で来院されました。
■年齢:10歳
■犬種:パピヨン
■性別:オス

1センチほどの固いしこりが右の下の顎に出来ていました。

術前の写真

しこりとしこりの付着していた歯肉と右下顎の骨の一部を切除して、病理検査に提出したところ、「骨形成性エプーリス」という診断でした。
この腫瘤は、歯肉や歯根膜から生じる増殖性の腫瘤の一種です。良性腫瘍に分類されていますが、再発性の高い腫瘍です。そのためこの腫瘍は腫瘍の周りの正常組織を含めて切除したり、顎の骨を一部削る必要があります。
骨形成性エプーリスはそのまま放っておくと腫瘍が大きくなり食べることなどが困難になる場合もあります。
噛み合わせの悪い不正咬合や歯石付着による歯肉炎など、歯肉に対する刺激が原因となります。
今回のケースは重度の歯石付着が原因になった可能性がありました。発生を防ぐため、日々のデンタルケアが欠かせません。
歯のチェックや歯磨き指導も行なってますので、気になる方はぜひご相談ください。

術後の写真